福井梅は天保年間(1830~1843年)に現在の若狭町(旧西田村)伊良積(いらづみ)に発祥したとされており、古くから「西田梅」として作られていました。
始まりは伊良積の平太夫(へいだゆう)と助太夫(すけだゆう)という豪農の庭に良質の梅樹が植栽されており、それぞれ品質が異なっていたため、当時『平太夫梅』、『助太夫梅』と称していました。
助太夫梅を『剣先(けんさき)』、平太夫梅と剣先を交配したものを『紅映(べにさし)』、南高梅を改良したものを『新平太夫(しんへいだゆう)』、新平太夫と織姫を交配したものを『福太夫(ふくだゆう)』となりました。
福井梅の主な品種は梅干し・梅酒どちらにも使える「紅映」、梅酒や梅シロップ用の「剣先」、梅干し加工しやすい「新平太夫」、フルーティな香り高い「福太夫」の4種類になります。
・紅映(べにさし)
紅映は、名前のとおり実が熟してくると日当たりの良い部分の表皮が紅色に染まり、 その周囲は甘酸っぱい芳香につつまれます。
成分的には果肉中のショ糖含量や遊離アミノ酸含量が高く、カルシウム・マグネシウム・カリウム等のミネラル成分を多く含んでいます。
そのため、適度な酸味と甘み・旨みが多く、梅干し・梅酒等どのような加工調理にも適しております。
・剣先(けんさき)
剣先は、果実の形が楕円形なのが特徴で、先端部分がやや尖っているのが剣の先のように見えた事が名前の由来です。
果皮は緑色で陽光面も着色せず、早い時期から大玉になるため、福井梅のトップを切って出荷されます。
実がしっかりとして青味が強く梅酒・梅ジュースに適しています。
・新平太夫(しんへいだゆう)
新平太夫は、古くから伝わる「平太夫」梅の名前にちなみ「新平太夫」と名付けられました。
加工しても果皮が破れにくく、病害などにも強く、梅干し加工に適している品種です。
そして何よりも樹上で完熟した新平太夫を収穫すると、桃やアンズのようなフルーティな香りがする黄金色の綺麗な梅が収穫されます。
・福太夫(ふくだゆう)
福太夫は平成17年に県の園芸試験場で品種登録された福井梅の新しい品種です。
クエン酸やリンゴ酸などを多く含み、収穫時は樹上で黄色くなるまで完熟させてから、手でもいで収穫します。
新平太夫のように桃やアンズのようなフルーティで、さわやかな香りがして酸味がマイルドなため、梅酒や菓子だけでなく、梅干しなどにしても美味しいものができあがります。
1月:剪定
2月:剪定(※病害が酷い樹のみ防除作業)
3月上旬:剪定枝の処分、施肥(芽出し肥え)
3月下旬:草刈り、防除作業
4月:防除作業、草刈り
5月:防除作業、除草剤散布、完熟梅収穫用ネット設置
6月:収穫、梅干し用塩漬け
7月:完熟梅収穫用ネット片付け、草刈り、梅干し土用干し
8月:草刈り、梅干し土用干し、施肥(花芽肥え)
9月:草刈り、梅干し土用干し
10月:草刈り、施肥(元肥え)、剪定
11月:剪定
12月:剪定